男性不妊とは
「不妊」とは1年以上避妊せず夫婦生活をもっているにもかかわらず、妊娠に至らないことをいいます。
不妊のうち男性側に原因がある場合を「男性不妊」といいます。
WHOの調査によると、不妊の割合は以下の通りです。
・女性因子 41%
・男性因子 24%
・女性および男性因子 24%
・原因不明 11%
つまり、男性に原因がある場合が48%(24%+24%)と約半数を占めていることがわかります。
男性不妊の原因
男性不妊の原因は主に次の3つにわけられます。
1:造精機能障害(無精子症・乏精子症・精子無力症・精索静脈瘤など)
男性不妊のおよそ80%~90%を占めます。
精子をつくる機能(造精機能)に問題があり、正常に精子をつくり出すことができない状態です。
精子の数が少なくなる、精子の動きが悪くなる、奇形率が多くなる、などがみられます。
造精機能障害のうち、5~7割は原因不明の突発性造精機能障害といわれています。
2:精路通過障害
造精機能に問題はみられませんが、何らかの理由で精子の通り道(精路)が狭くなっている、もしくは塞がっている状態です。
男性不妊のおよそ5~10%を占めます。
3:性機能障害
何らかの理由により満足な性交渉をもつことが困難な状態をいいます。
性機能障害は主に①勃起が起こらない、または勃起した状態が持続しない「勃起障害」、②勃起はするが射精ができない「射精障害」の2つにわけられます。
西洋医学による治療では、原因によって薬物治療(内服薬やホルモン注射など)、手術治療(精路再建手術や精索静脈瘤に対する手術など)が行われます。
精子の質について
妊娠に至るためには、精子の質もとても重要です。
質を悪くする生活習慣として、次のことがあります。
・たばこを吸う
・お酒をよく飲む
・車や自転車の長時間の運転
・睡眠不足
また、精子は熱に弱いので
・膝の上でのパソコン作業
・サウナ
・熱すぎるお風呂
なども控えることをおすすめします。
中医学からみる男性不妊
中医学で男性不妊は、女性と同じ腎虚が主な原因であると考えます。
腎とは成長・発育・生殖機能などを司り、精子や卵子の生成やその質にも深く関係しているため、腎が弱くなったりバランスが崩れたりすると、その働きに大きな影響が出ます。
その他、気滞瘀血・湿熱下注なども不妊につながる要因となります。
腎陽虚
生殖能力を司る腎のエネルギーを生む力が低下した状態です。
性欲低下、勃起不全、精子数の減少、精子の運動率の低下や奇形率の増加、精液稀薄、身体の冷え、頻尿、下痢、疲労感、腰のだるさ、などの症状がよくみられます。
➡温陽補腎:牛車腎気丸、海馬補腎丸など
腎陰虚
身体に必要な陰液(うるおい)が不足している状態です。
性欲亢進、遺精、早漏、精液量の減少、暑がり、口渇、寝汗、ほてり、めまい、耳鳴り、不眠、腰のだるさ、などの症状がよくみられます。
➡滋陰補腎:六味丸、知柏地黄丸など
気滞瘀血
体内の気や血の流れが滞っている状態です。
精管のつまり、不射精、勃起不全、前立腺肥大、無精子症、精索静脈瘤、冷えのぼせ、便秘、不眠、イライラや気分の落ち込み、身体の痛みや圧迫感、腰痛、肩こり、などの症状がよくみられます。
➡行気活血:柴胡疎肝湯、桂枝茯苓丸など
湿熱下注
体内の湿邪と熱邪が蓄積し、下半身や腹部に影響を及ぼす状態です。
血精症、膿精症、死滅精子の増加、精子の運動率の低下、排尿困難、尿路感染、分泌物の増加、下半身の重さや痛み、などの症状がよくみられます。
➡清熱利湿:竜胆瀉肝湯、温胆湯など
男性不妊のご相談は世珍堂へ
世珍堂では男性不妊の方に対して、漢方薬と鍼灸の併用をおすすめしております。
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