顔面神経麻痺の分類

 

       顔面神経麻痺には中枢性と末梢性とがあり、「中枢性」は脳腫瘍、脳梗塞等の合併症に多く見られます。 

 

        「末梢性」は日常生活に於いてしばしば見受けられますので、主に末梢性顔面神経麻痺について説明します。

 

ベル麻痺とハント症候群

 

       a)ベル麻痺の原因・・・ 単純ヘルペスウィルス-1型

 

       b)ハント症候群の原因・・水痘帯状疱疹ウイルス

 

 

 

特発性顔面神経麻痺の原因

 

       いまだ不明ですが、考えられる可能性としては寒冷曝露(かんれいばくろ)、アレルギー、局所浮腫(きょくしょふしゅ)、ウイルス感染などがあります。
 いずれにしても、顔面神経は顔面神経管と呼ばれる骨で取り囲まれた狭いトンネルを通って脳から外に出ますが、何らかの原因で顔面神経がはれる(浮腫)と顔面神経が圧迫され麻痺が現れると考えられています。

 

顔面神経麻痺の段階

         1急性期:約7~10日

 

       2急性回復期:約1~3か月

 

       3慢性回復期:約3か月~1年

 

       4後遺症期:完治が難しい

 

       *急性期:顔のツボを刺すのは禁止

顔面神経麻痺後遺症

1 不完全治癒

 一見正常に見えても、笑ったり泣いたり、怒ったりした時に顔面の非対称が明らかになります。口角が上がらなかったり、口笛をふけなかったりと 、その程度に差はありますが後遺症が残存します。 

2 顔面拘縮

 顔面筋の拘縮により鼻唇溝が深くなったり、眉が下がっていたり、口角が下がったり。特に口角付近は後遺症が残りやすい部位とであるので、重症後遺症の場合などはマッサージ等の予防が大切です。 

3 顔面痙攣

顔面神経麻痺発症後、半年から2年後に起こる顔面筋の痙攣(けいれん)であり、自分の意思とは関係なく眼や口の周りの筋肉がピクピク動いたりしますが、後遺症の程度は軽いとされています。 

4 ワニの涙症候群

 食事のときに涙が出る現象。「ワニの涙」とは、ワニが捕食をするときに涙を流すことに由来されています。詳しい原因は不明ですが、神経再生時における過誤により唾液分泌腺と同時に涙腺分泌などの後遺症が起こると考えられてます。 

5 煩わしい病的共同運動

麻痺後に残存する最も重大で高度の後遺症です。この後遺症が出現すると根本的な治療方法がないとされておりますので、予防顔面マッサージ・バイオフィードバック等のリハビリ)が重要です。

6 あぶみ骨筋性耳鳴り

表情筋の動きに伴い患部側に耳鳴りがします。


顔面神経麻痺後遺症の治療

    1 温湿布 

 皮膚温の低下や循環不全を治すため朝夕蒸しタオルで顔を5分ほどあたためる。

 

2 マッサージ

 完全麻痺で下垂した皮膚と筋肉を手でもみあげるようにマッサージする。 筋の循環、代謝回復を計る。また顔面対称性の回復を促進する。

 

3 電気刺激方法(パルス)

  脱神経が起こるとその末梢の髄鞘や軸索は変性して、続いて筋の廃用萎縮がおこる。 筋が完全に廃用萎縮してなければ神経再生によって筋機能が回復する。

 

4 表情運動の訓練

  リハビリは表情筋の筋力を単に増強するだけでなく、いかにして 自然な顔面の表情をつくれるようにするかが重要です。 


治療2週間前後の写真

治療前の写真

治療2週間後の写真

額のしわがはっきり見えるようになりました。